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【会社情報】株式会社今治.夢スポーツ 2022年度 決算報告

2023年04月25日

株式会社今治.夢スポーツは、令和5年4月25日に定時株主総会を開催し、第21期(令和4年2月1日から令和5年1月31日まで)の事業報告、決算書類報告を行い、承認されましたのでお知らせするとともに、事業報告の一部を掲載させていただきます。

企業集団の現況に関する事項


1.事業の経過及びその成果



「次世代のため、物の豊かさより心の豊かさを大切にする社会創りに貢献する」という企業理念のもと、サッカークラブ運営事業、野外体験研修事業、公園指定管理事業など、さまざまな事業に取り組んでおります。引き続き新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けながらも、「初志を忘れず細事徹底する」という2022年の経営方針のもと、それぞれの事業で細部にこだわり、理念の実現に取り組んできました。
また2023年1月にJ2対応のサッカー専用スタジアム、「今治里山スタジアム」が竣工しました。"365日人が集まり、賑わいが生まれるスタジアム"を目指して、新たな挑戦が始まりました。

また、昨期の事業報告で課題として記載した「人事制度の整備」について、外部有識者より定期的に助言をいただき、"各スタッフの業務の視える化"に向けた取り組み、上長による定期面談の質の向上の検討、360度評価のカイゼン策の検討などを進めました。2023年度は検討してきた諸々の施策を実行します。加えて、エグゼクティブパートナーのカオナビ様の人事サービスを新たに導入しました。今後は面談結果の記録や評価を実施するためのツール、スタッフ同士のコミュニケーションツールの一つとして利用していきます。

損益の推移は下記のとおりであります。
純売上高が昨期対比114%と増加し、創業以来初の10億円を超えたものの、トップチームを中心とした選手、スタッフの人件費の増加、遠征費などの旅費交通費の増加などが主な原因となり、販管費及び一般管理費が昨期対比117%と増加しました。
営業外収益が昨期対比263%と増加した結果、今期は996万円の経常利益、696万円の当期純利益となり、4期連続の黒字を達成することができました。

2022年度.png

 各事業及びプロジェクトの取り組み、業績は以下のとおりであります。



【FC今治 トップチーム】
Jリーグ3年目となる2022シーズンは、ありがとうサービス.夢スタジアムでホーム戦を実施する最後の1年となりました。新型コロナウイルスの影響での入場制限や行動制限が徐々に緩和され、最終節は声出し応援も解禁になり、従来の応援スタイルに戻りつつあるシーズンとなりました。
チームは"今治里山スタジアムの元年をJ2の舞台で迎える"ことを目標に掲げ、橋川和晃監督のもと終盤まで昇格争いに絡みましたが、要所の試合を取りこぼし、結果として18勝6分10敗、勝ち点60の5位に終わりました。一方で、多くの選手がコロナ感染のため離脱した中で勝利した鹿児島戦や、台風が来る中でホーム戦を実施し勝利したいわき戦、そして愛媛FCとの伊予決戦など、記憶に残る試合を繰り広げることができました。
2023シーズンは、2022シーズンにヘッドコーチを務めた高木理己氏が監督に就任し、"今治里山スタジアムでのJ3優勝、J2昇格"を目指します。
当社の収入の柱であるパートナー収入に関しては、今期もパートナー数及びパートナー料共に増加し、昨期の5億5000万円から6億1600万円と約6600万円増となりました。新たな出会い、ご縁に恵まれた1年となりました。
また入場料収入に関しても、入場者制限の緩和により来場者数が増え、昨期の1900万円から3300万円と大幅増となりました。商品売上高に関しても、通常のグッズの売上に加え、今治里山スタジアムに設置する"里山プレート"の販売を開始したため、昨期の2800万円から大幅増の6000万円となりました。
ファン、サポーターの皆様との接点に関しましては、引き続き新型コロナウイルスの影響を受け選手との直接のふれあいの機会を作ることが困難な状況でしたが、今治市内の芝生広場を活用したアウェイ戦のパブリックビューイングを3年ぶりに実施するなど、少しずつイベントの回数を増やす取り組みを行ってきました。2023シーズンは今まで以上に選手とのふれあいの機会を増やし、魅力を発信し、ファン・サポーターの皆様に楽しんでいいただけるよう、取り組んでまいります。

【FC今治 アカデミーメソッド】
FC今治の下部組織であるU-18、U-15、U-12も、引き続き新型コロナウイルスの影響を受けつつも、従来の活動を取り戻しつつ、それぞれのカテゴリで結果を残すことができました。
U-18はE1リーグからプリンスリーグ四国への昇格を達成、U-15は高円宮杯 全日本U-15サッカー選手権大会へ出場、そしてU-12はチビリンピック2022、全日本U-12サッカー選手権大会と2つの全国大会へ出場しました。
「岡田メソッド」を用いた一貫指導、そして日本一質の高いピラミッドの構築を目指す「今治モデル構想」の実現が、目に見える結果として表れた一年となりました。

【FC今治 レディース】
レディースのトップチームは、アマチュア最高峰の「なでしこリーグ」参入を目標に取り組んでいます。まずは2部リーグへの参入、そして1部リーグへの昇格を目指します。
2022シーズンも昨シーズンに引き続き四国リーグを優勝し、なでしこリーグ2部参入の挑戦権を獲得しましたが、残念ながら1次予選で敗退しました。一方で全国大会である皇后杯に2年ぶりの出場を果たしました。2023シーズンこそ、悲願のなでしこリーグ参入を果たすべくチーム一丸となって戦います。
高校生年代までの選手で構成されるNEXTチームも、U-18、U-15共に全国大会への出場を果たし、徐々に活躍の場を広げています。
また、2022シーズンは小学生の女子を対象にしたサッカークリニックも積極的に実施し、レディースサッカーの普及にも取り組んでおります。
おかげさまでホーム戦のみならずアウェイ戦にも、多くのファン、サポーターの皆様に応援に駆けつけていただき、パートナー企業様のご支援も年々増えてきております。引き続きご支援、ご声援の輪を広げていけるよう、取り組んでまいります。

【FC今治 ホームグロウン事業】
年中から小学6年生までを対象にしたサッカースクール、今治市内、西条市内の幼稚園・小学校を対象にした巡回サッカー教室(無償)を中心に活動しております。
2023年1月時点のサッカースクールの会員数は319名、巡回サッカー教室は、小学校32校、幼稚園/保育所/認定こども園37か所を対象に実施し、合計実施人数は2,182名を記録しました。
また、大人を対象としたサッカー教室、地域の子供たちや指導者の皆様を対象とした岡田メソッドによるサッカー指導、特別支援学校への訪問サッカー教室、障がい者スポーツの支援など、様々な取り組みも進めてまいりました。今後もより多くの人々がサッカーに触れる機会を作り、地域のサッカー人口の増加に貢献していきたいと考えています。また、サッカーに留まらず、FC今治に関わる人々"FC今治ファミリー"を増やしていくことも、ホームグロウン事業の大きな役割として、今後取り組んでまいります。

【グローバル事業】
2016年から中国の浙江職業足球倶楽部と提携して、育成世代のチームにおいて、理念・チーム編成・指導法・評価方法の確立など指導体制を構築するサポートをするとともに、指導者のレベルアップ、トップチームに昇格できる選手の育成などに努めております。2022年はダイレクター1名、各年代の監督およびコーチを8名、当社より派遣しました。第1回全国青少年サッカー大会において、U-17のチームが優勝し、同大会でU-13チームが第3位となるなど、すばらしい戦績をおさめました。指導体制の構築が進むことにより、チームも着実に結果を出し続けており、本提携は中国でもよい評判になり、新しい問い合わせも受けております。今後は、東南アジアへの展開も視野に入れて、事業の拡大を進めてまいります。

【野外研修事業】
野外体験を通じて、"遺伝子にスイッチを入れる"をキーワードに「生きる力」や「感受性」を育むプログラムの実施、また社会人を対象にしたチームビルディング研修の実施などを行っています。
次世代を対象とした普及/育成プログラム"バリーズ"は、2017年からの参加者の延べ人数がついに1000人を越えました。
また、上場企業や地元企業、愛媛県・今治市などの行政機関を対象とした研修事業も好評です。中でも、課題解決型のアクティビティとインプット講義を組み合わせた"Kickoff!研修"は2022シーズンは6社約200名の皆様に参加いただきました。
さらに、企業はもちろん大学や通信制高校、公益財団法人など、各団体のテーマや目的に沿った企画を提案、実施している"アライアンス"も確実に実績を増やしています。
"FC今治"ではなく、"野外研修事業"に支援したいというパートナー企業の皆様も増えてきており、今後もご支援いただける皆様の期待に応えられるよう、活動を続けてまいります。

【アースランド事業】
今治市から指定管理を受託し、西部丘陵公園"しまなみアースランド"を管理運営しております。公園の管理運営業務だけではなく、幼児を対象とした森の中で生き物や植物に触れ合うプログラム"moricco"の実施や、富良野自然塾から導入した"環境教育プログラム"、そして来園者増加のためのイベント企画・運営を実施しております。
2022シーズンはスタッフの入れ替わりも含め、アースランドグループの土台作りに取り組んだ1年となりました。来園者の方々に公園を楽しんでいただけるよう、園内整備の仕組みを強化し、moricoo、環境プログラムの参加者の皆様に満足いただけるよう受け入れ態勢の整備、インストラクターのレベルアップに取り組んでまいりました。
2023シーズンは、今まで以上に来園者の皆様に目を向け、満足度の向上を目指していきます。そしてより多くの人にアースランドを知ってもらう・利用してもらうきっかけをつくり、アースランドでつながりが生まれるための1年にしていきます。

【今治里山スタジアム】
2023年1月29日、ついにJ2対応のサッカー専用スタジアム「今治里山スタジアム」がオープンしました。オープニングセレモニーには約5,000人の方々にお祝いに駆けつけていただき、最高の船出を飾ることができました。試合の日はもちろん、試合のない日もにぎわいが生まれクラブとの関りが日常となる営みを作ってまいります。
今治里山スタジアムを建設、管理運営する株式会社今治.夢ビレッジと連携して、様々な新規事業も進めてまいります。カフェ、ドッグランなどを始めとして、小さな体験を積み、時に失敗と成功を重ねながら、皆様が求めるもの、私たちが持っている経営資源で提供できるものを見極め、この里山を育んでまいります。
そしてこの今治里山スタジアムを核とした、皆が支え合えるコミュニティづくりにも挑戦していきます。スポーツ・健康・教育に加え、交通、農業、衣料などのインフラ的コミュニティから、芸術、観光などの発展的コミュニティまでを意識した様々な事業展開に取り組んでまいります。

【その他の活動】
上記以外にも様々な取り組みを実施しました。次世代を担うリーダーを育成するワークショッププログラム"Bari Challenge University"は、今回初めて共催という形で実施し、認定NPO法人ETIC.様と連携して実施しました。また、地元の学校とも連携し、今治明徳短期大学とFC今治のコラボ授業や今治東中等教育学校との協働授業も実施しました。さらに健康事業の確立に向けて、エグゼクティブパートナーのアシックス様と協業し、健康意識の向上や運動習慣の定着をテーマに体力測定や健康プログラムも実施。幅広い年代の多くの人々との接点を作ることができました。

2.設備投資の状況



特筆すべき設備投資はありません。

3.資金調達の状況



今治里山スタジアム建設のための追加資金調達及び運営基盤強化を目的として、2022年4月11日に1社を引受先とする1500万円、2022年9月30日に19社/名を引受先とする総額2億5755万円の第三者割当増資等を実施しました。この結果今期時点の株主は67社/名となりました。
また、建設資金支払いに合わせて、株式会社今治.夢ビレッジでは、前年度に締結をした株式会社伊予銀行と愛媛信用金庫の共同アレンジによるサステナビリティ・リンク・ローン14億円の融資枠の引出しの他、株式会社愛媛銀行(4億円)や日本政策投資銀行(2.7億円)との融資契約締結、投資家・企業からの劣後ローン調達(3.5億円)を実施しています。
さらに前年度に引き続き、企業版・個人版ふるさと納税を用いたご寄付や、スタジアムに設置する里山プレートの購入受付を継続実施している他、国土交通省のグリーンインフラ活用型都市構築支援事業の補助制度の活用を進めております。

4.対処すべき課題



【人事制度の更なる整備】
昨期課題に掲げた、"人事制度の整備"に関して、今期は検討の段階に留まり、具体的な施策の実施には至っていないという状況です。会社として、引き続き対処すべき課題と捉え、2023年度は整備が完了するよう進めてまいります。そのために2023年度より、アドミニストレーショングループの管轄業務であった"人事"を独立させ、"人事グループ"を新設しました。
"事業の経過及びその成果"で報告させていただいた、スタッフ一人一人の業務を視える化する仕組みを作ることにより、社内の業務の棚卸しや目的の再確認、スタッフの稼働状況などを把握し、仕事の優先順位付けやリソースの最適配置に取り組んでまいります。
また、今までも実施していた上長との定期面談の精度を上げることと連動して、公平な評価システム及び評価に基づいた給与体系の構築にも取り組んでまいります。
さらに、既存スタッフのレベルアップや、新規人材の確保につきましても継続的に機能していく仕組みを作っていくことが重要だと考えております。個人のキャリア目標を定期的に確認しながら能力向上のサポートができる体制を構築しつつ、事業拡大のスピードに合わせて副業人材も含めて継続的に人材を確保できる採用体制も構築してまいります。

【ブランディング】
FC今治だけではなく、野外研修事業やアースランド事業などサッカーに留まらない様々な事業を行っており、さらに里山スタジアム関連の事業も今後本格化していきます。それぞれの事業のターゲットを明確にして、ターゲットに合わせた情報発信を今後実施していくことが、より必要だと考えております。
また、一見異なる様々な事業も「次世代のため、物の豊かさより心の豊かさを大切にする社会創りに貢献する」という共通の理念を持ち実施していることを、会社としてしっかり発信していくべきだと考えております。
こちらのブランディングに関しましては、エグゼクティブパートナーのデロイト トーマツ グループの デロイト トーマツ コンサルティング合同会社様と協力しながら進めてまいります。

トップパートナー
/ 共生社会実現パートナー

エグゼクティブパートナー