menu

【会社情報】株式会社今治.夢スポーツ 2023年度 決算報告

2024年04月25日

株式会社今治.夢スポーツは、令和6年4月25日に定時株主総会を開催し、第22期(令和5年2月1日から令和6年1月31日まで)の事業報告、決算書類報告を行い、承認されましたのでお知らせするとともに、事業報告の一部を掲載させていただきます。

企業集団の現況に関する事項

1.事業の経過及びその成果

「次世代のため、物の豊かさより心の豊かさを大切にする社会創りに貢献する」という企業理念のもと、サッカークラブ運営事業、野外体験研修事業、公園指定管理事業など、さまざまな事業に取り組んでおります。また、2023年度は、1月に竣工した「今治里山スタジアム」を核とした新しい事業にも挑戦した一年となりました。

さらに、2018年に策定した「2025年に目指す姿」を「2030年に目指す姿」に更新しました。①ヒトと組織、②フットボール、③里山と地域、④ビジネスの4項目に分け、それぞれの目指す姿を明文化しました。2030年の実現に向けて取り組んでまいります。

損益の推移は下記のとおりであります。
純売上高が、新スタジアムの運営に伴う広告枠の拡大などにより、昨期対比123%と増加したものの、新スタジアムの利用料及び広告掲出料など新たな費用が発生し、販管費及び一般管理費が昨期対比136%と大幅に増加しました。結果として、営業損失2億203万円、経常損失1億8051万円、当期純損失が1億8479万円となり、2019年1月期以来の赤字となりました。


画像1.jpg

 各事業及びプロジェクトの取り組み、業績は以下のとおりであります。


【FC今治 トップチーム】
Jリーグ4年目となる2023シーズンは、今治里山スタジアム元年となりました。
開幕戦は、FC今治歴代最多の5,424人の入場者数を記録しました。
チームは開幕から上位に位置しながらも、要所の試合で勝ちきれず抜け出せない状況が続きました。主力選手の夏の移籍、監督交代などを経て、16勝11分11敗、勝ち点59の4位に終わり、過去最高順位を達成したもののJ2昇格は果たせませんでした。
クラブとしては初のナイトゲームの実施や、今治里山スタジアムでの愛媛FCとの伊予決戦など、ファン・サポーターの皆様に楽しんでいただける機会を創出し、平均入場者数も過去最多の3,711人を記録しました。
当社の収入の柱であるパートナー収入に関しては、今期もパートナー数及びパートナー料共に増加し、昨期の6億1600万円から7億4400万円と約1億2800万円の大幅増となりました。地元企業様のみならず、地元の既存パートナー様の紹介により海外の企業様とのご縁も増え、サッカーに留まらない私たちの取り組みに共感いただいた結果だと考えております。
入場料収入に関しても、ホームスタジアムが今治里山スタジアムに変更したことに伴い、チケット単価及び入場者数の増加の影響で昨期の3300万円から7800万円と大幅増となりました。
ファン、サポーターの皆様との接点に関しましては、毎年実施していたファン感謝祭を、今シーズン初めて今治市内の商店街で実施しました。今後も選手・スタッフ一同、今まで以上に街に出向き、ふれあいの機会を創出していきたいと考えています。

【FC今治 アカデミーメソッド】
FC今治の下部組織であるU-18、U-15、U-12は、引き続きそれぞれのカテゴリで活動してまいりました。
U-12から在籍していた馬越晃選手がトップチームへの昇格を果たし、クラブ初のユースからのトップチーム入団となりました。
また、U-15は2年連続の高円宮杯 全日本U-15サッカー選手権大会への出場を果たしました。
2023年シーズンも、「岡田メソッド」を用いた一貫指導、そして日本一質の高いピラミッドの構築を目指す「今治モデル構想」の実現が、目に見える結果として表れた一年となりました。

【FC今治 レディース】
レディースのトップチームは、アマチュア最高峰の「なでしこリーグ」参入を目標に取り組み、4年目のチャレンジでついに2部リーグへの参入を果たしました。2024シーズンは活動の舞台を全国へと移し、また今治里山スタジアムに留まらず西条市、四国中央市でのホーム戦も開催しながら、今まで以上により多くのファン・サポーターの皆様に応援いただき、なでしこ1部リーグへの昇格を目指します。
また、高校生年代までの選手で構成されるNEXTチームは、高円宮妃杯 全日本U-15女子サッカー選手権大会で過去最高のベスト8進出を果たしました。

【FC今治 ホームグロウン事業】
年中から小学6年生までを対象にしたサッカースクール、今治市内、西条市内の幼稚園・小学校を対象にした巡回サッカー教室(無償)を中心に活動しております。
2024年1月時点のサッカースクールの会員数は340名、巡回サッカー教室は、小学校38校、幼稚園/保育所/認定こども園37か所を対象に実施し、合計実施人数は2,361名を記録しました。また、長年継続している障がい者を対象としたサッカーイベントにも161名の方々に参加いただきました。
サッカースクールに関しては、2023年度より「ありがとうサービス.夢スタジアム」が会場として追加されました。2022シーズンまでトップチームのホームスタジアムとして利用されていた天然芝のグランドで、子どもたちがサッカーをする機会を創出することができました。
さらに今治里山スタジアムでの子供向けイベントも新たに実施し、活動のフィールドを着実に増やしています。

【グローバル事業】
2016年から中国の浙江职业足球俱乐部(浙江FC)と提携して、育成世代のチームにおいて、理念・チーム編成・指導法・評価方法の確立など指導体制を構築するサポートをするとともに、指導者のレベルアップ、トップチームに昇格できる選手の育成などに努めております。2023年も引き続きダイレクター1名、各年代の監督およびコーチを8名、当社より派遣しました。
2023年12月4日には、提携に関する契約を更新するにあたり中国・浙江省にて調印式が行われ、弊社代表取締役会長 岡田武史が出席いたしました。
引き続き、岡田メソッドの展開を通じアジアの育成組織や指導体制を支援し、主体的にプレーできる自立した選手と、自律したチームを育てることを目指していきます。

【野外研修事業】
野外体験を通じて、"遺伝子にスイッチを入れる"をキーワードに「生きる力」や「感受性」を育むプログラムの実施、また社会人を対象にしたチームビルディング研修などを行っています。
具体的には次世代育成事業として、年代別のプログラム「しまなみリトル」「しまなみキッズ」などを実施。また研修事業として、上場企業や地元企業、行政機関を対象とした「switch!研修」や「Kickoff!研修」を展開。さらにアライアンス事業として企業にとどまらず様々な団体のテーマや目的に沿った企画を提案、実施しています。
2023年はアライアンス事業の一環としてFC今治U-13(中学生)を対象とした"瀬戸内アドベンチャーウォーク130㎞ 5泊6日"を実施しました。
また、2024年度より開校したFC今治高校の必修事業として、全校生徒を対象に「ヒューマンディペロップメントプログラム」を開講することも決定しています。

【アースランド事業】
今治市から指定管理を受託し、西部丘陵公園"しまなみアースランド"を管理運営しております。公園の管理運営業務だけではなく、幼児を対象とした森の中で生き物や植物に触れ合うプログラム"moricco"の実施や、富良野自然塾から導入した"環境教育プログラム"、そして来園者増加のためのイベント企画・運営を実施しております。
2023年度は、今まで以上に来園者の皆様に目を向け、満足度の向上に取り組みました。SNSを使った情報発信も活発に行い、より多くの人にアースランドを知ってもらう、利用してもらうきっかけをつくり続けてきました。
"moricco"の体験者は年間約2,200名、"環境教育プログラム"の体験者は年間約1,300名を記録しました。

【今治里山スタジアム】
今治里山スタジアムを建設、管理運営する株式会社今治.夢ビレッジと連携して、様々な新規事業に取り組んでまいりました。2023年4月にカフェ「里山サロン」をオープン。"来るだけで誰か、何かのためになる優しい場所"をコンセプトに、スコーンを中心としたメニューを展開しています。2023年8月には「里山ドッグラン」も開始。中型犬までを対象に解放しており、人と犬の憩いの場となっており、新たなコミュニティが醸成されつつあります。また、スタジアム内には、社会福祉法人来島会様により複合福祉施設「コミュニティビレッジきとなる」が建設され、福祉事業を営まれています。障がいのため職業生活に困難を抱える方や、発達に困りごとのある子供たちが生きる力を身につけるための場として活動されています。
また、試合の日に限らず、365日1年間を通じてスタジアムに人が集まる賑わい作りにも挑戦してきました。2023年10月には株式会社アーバンリサーチ様が運営する「TINY GARDEN FESTIVAL」を共催し、テント泊などの体験を通じて今治里山スタジアムの新しい可能性を感じることができました。2023年12月には三菱電機株式会社様との共創活動として、アートプロジェクト「パーパスプロジェクト×あいうえおはな」を実施し、アートとのコラボレーションも実現しました。株式会社アシックス様とは、年間を通じてランニングイベントを実施し、今治里山スタジアムでのランニングコミュニティの輪を着実に広げていく取り組みを進めています。
以上の取り組みを土台に、今後も引き続き、今治里山スタジアムを核とした皆が支え合えるコミュニティづくりに挑戦していきます。スポーツ・健康・教育に加え、交通、農業、衣料などのインフラ的コミュニティから、芸術、観光などの発展的コミュニティまでを意識した様々な事業展開に取り組んでまいります。

2.設備投資の状況

特筆すべき設備投資はありません。

3.資金調達の状況

前年度に引き続き、企業版・個人版ふるさと納税を用いたご寄付や、スタジアムに設置する里山プレートの購入受付を継続実施している他、グリーンインフラ活用型都市構築支援事業の補助制度の活用を進めてまいりました。

4.対処すべき課題


【収支の改善】
2023年度は、1億8479万円の当期純損失という赤字決算となりました。今治里山スタジアムの利用料及び広告掲出料など新スタジアムに関する新たな費用発生が一因となります。今後は、スタジアムの管理/運営を実施している子会社の今治.夢ビレッジとの2社合算での黒字を達成、継続していくため、「売上は最大に、経費は最小に」という意識をスタッフ一人ひとりが持って日々の業務に取り組んでまいります。また、Jリーグのカテゴリに依存しない収益体制を整えいくことも必要だと考えて、民設民営の今治里山スタジアムをはじめ、私たちにしかない、様々な資産を有効活用し、収支の改善に取り組んでまいります。

【地域との連携】
2024年度にリスタート10周年を迎えるにあたり、改めて地域社会との連携、地域の人々との繋がりの大切さを感じております。トップチームのホーム戦の入場者数に留まらず、サッカー以外の様々な事業に関わる人々、今治里山スタジアムに集う人々の輪を今まで以上に広げていくことが、企業理念のさらなる実現に繋がると信じ、まだ接点のない人々、コミュニティにアプローチしていく取り組みを、2024年度より開始いたします。

【人事制度の確立】
2期連続で課題に掲げた"人事制度の整備"に関して、360度フィードバックの実施や個人のキャリアヒアリングなど、具体的な施策は実施できたものの、適切なマンパワーを確保することができず、整備の完了には至っておりません。2024年度も引き続き対処すべき課題と捉え、今治.夢スポーツらしい、人事制度の確立に取り組んでまいります。
グレード、評価、報酬の3本柱の基本方針の策定、設計を実施し、運用シミュレーションを経て2025年の本格導入を目指したいと考えています。また、個人のキャリアヒアリングの次のステップとして、それぞれのキャリアップや成長機会の創出にも取り組んでまいります。

【ブランディング】
昨期から引き続き、エグゼクティブパートナーであるデロイト トーマツ グループのデロイト トーマツ コンサルティング合同会社様と協力しながら進めております。今治里山スタジアム関連の様々な事業も本格稼働し、野外研修事業やアースランド事業の発展にも引き続き取り組んでいく中で、「"FC今治"がサッカーに留まらず様々な事業を展開している」ということをしっかりと社外に発信していくことが、より大切だと考えております。2024年度は、「FC今治」をコーポレートブランドとして発信すべく、継続してブランディングに取り組んでいまいります。

トップパートナー
/ 共生社会実現パートナー

エグゼクティブパートナー