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第一回 「わたし、地球」の制作までのみちのり


2020年に今治.夢スポーツとソーシャルインパクトパートナーであるデロイト トーマツ グループによる取り組みの一環として、環境教育の拡充のための環境教育冊子「わたし、地球」を制作しました。制作された環境教育冊子は、2020年度は今治市内の小学5年生に、2021年は小学4年生及び5年生に配布いたしました。更に今年の6月には「わたし、地球」の一部がSDGsの理解を促進するための小学生向けコンテンツとして、ハローキティ主演で動画化されるなど、サッカークラブのパートナー活動の枠を超えるような大きな取り組みになっています。
今回は「わたし、地球」の制作に関わった2名が語る「わたし、地球」が生まれたきっかけや、込められた想いをお届けします。

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氏家さん、黒澤さん、本日はよろしくお願いします。まずはお二人の今治.夢スポーツでの役割を教えてください。

【氏家】
こんにちは。今治.夢スポーツ執行役員の氏家翔太です。執行役員としてパートナーシップグループとアースランドグループという二つの部門を担当しています。
パートナーシップグループは言葉の通り、FC今治を支えていただいているパートナー企業や団体の皆さまとのパートナーシップを広げたり深めたりしていくことを担う部門です。ユニフォームなどのウェアやスタジアム看板でのいわゆる広告露出だけではなく、パートナーアクティベーションと私たちが呼んでいる、パートナー企業との協働を深化させていくことがパートナーシップグループにおける私の主な役割です。
アースランドグループについてはグループ長の黒澤さんからお願いします(笑)

【黒澤】
分かりました。今治.夢スポーツでアースランドグループのグループ長を務めている黒澤慧子です。
アースランドグループは、今治市にあるしまなみアースランド(https://s-earthland.com/ 正式名称:今治西部丘陵公園)という自然豊かな公園の管理運営業務を今治市から委託を受けて行っています。公園をきれいに整備することはもちろん、マルシェなど、今治市や近隣の皆さんに楽しんでもらえるイベントの実施しています。その中でも一番大切な役割は、小学生向けの環境教育プログラムや未就学児向けの自然体験プログラムmoriccoなどを通じて、環境に対する関心を持ってもらえるように働きかけることです。
積極的に「自然と人」「人と人」のつながりを作れるようなイベントやプログラムを実施して、一人でも多くの方に来園してもらうことで、より多くの方々に環境に対する関心を持ってもらえるように働きかける土台を作ることが、アースランドグループでの私の役割だと思っています。

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お二人とも環境問題や環境教育にもともとご関心があったり、関連するようなお仕事をされていたりしたのでしょうか?

【黒澤】
私は学生時代に農園芸学を学び、その時に食物の育成環境が変わると計画通りに植物が育たないという経験をしました。この経験をきっかけに環境問題に興味を持ち、大学卒業後に倉本聰さんが考案した環境教育プログラムを行っている富良野自然塾に就職しました。
実はアースランドで行っている環境教育プログラムも富良野で行われているものと同じで、富良野自然塾の暖簾分けのような形で今治自然塾として行っています。
なので、元々は富良野で環境教育に携わっていたのですが、縁がありアースランドが開園するタイミングで富良野から今治にやってきました。

【氏家】
私は正直に言って、今治にやってくるまで全く環境問題に関心がありませんでした。
大学生の時にアルバイトで塾講師をしたことをきっかけとして、「教育を通じて子どもたちの自己肯定感を育むことに貢献したい」という想いを持ち、教育業界で仕事をしてきました。そういった時に、この会社の「次世代のため、物の豊かさより心の豊かさを大切にする 社会創りに貢献する」という企業理念が、私個人が教育業界で目指していたものと合致すると思い、2年ほど前に入社しました。

全く環境に興味がなかった氏家さんがアースランドに関わるようになったのはどういう経緯なのでしょうか?

【氏家】
入社して間もない頃に、アースランドについて知っておこうと思い、黒澤さんに話を聞きにいったんです。
その時に体験した環境教育プログラムや黒澤さん自身の環境に対する想いに感銘を受け、これまでいかに自分が環境のこと、地球のことに対して無関心だったかを思い知らされました。それと同時に、企業理念を実現するためには、人と人の関係性だけではなく、人と自然の関係性も良いものとしていく必要があるのだと強く思いました。
当時はパートナーシップグループのみに所属していたのですが、黒澤さんの想いやアースランドで行っている活動を、パートナーアクティベーションを通じてより広く届けられないかということで、デロイト トーマツさんに相談したことが、私が仕事としてアースランドに関わることになったきっかけであり、同時に「わたし、地球」が生まれたきっかけでもあります。

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「わたし、地球」が生まれたきっかけがここにあったんですね。どの様にお話が進んでいったのでしょうか?

【黒澤】
アースランドで行う環境教育プログラムは体験型だからこそ、五感を活用して環境について熱を持って意識してもらうことができまる。その反面、一度だけの体験で終わってしまい、その熱が持続しないという課題意識を持っていて、どうにか継続的に環境について考える機会を持ってもらえる方法はないかと思っていました。

【氏家】
一方、私はデロイト トーマツさんとはソーシャルインパクトパートナーであるにもかかわらず、なかなか具体的なアクティベーションを行えていないという課題意識を持っていました。
そんな時に黒澤さんが持っている課題意識を解決することが、もしかしたら次世代のため、という私たちの理念と、デロイト トーマツさんのWorldClass*1の考え方と合致する部分であり、ソーシャルインパクトパートナーとしてのアクティベーションになるのではないかと考えました。そこで、デロイト トーマツさんにご提案したところ、前向きにご検討いただくことができ、出来上がったのが「わたし、地球」です。

【黒澤】
デロイト トーマツさんとお話をする中で、最初に決まったのは本を作るということです。
一度だけの体験で終わってしまうということが課題だったのでいつでも何度でも見返すことが可能な手段として本という形を選びました。
内容はアースランドで行っている環境教育プログラムをサポートするような物語と、より具体的な行動について考えられるようにSDGsを子どもたちに知ってもらえる内容にしようとなりました。
前者については、主に今治側で、SDGsに関してはデロイト トーマツさんにお願いして作成していただきました。

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【氏家】
第一部の「わたし、地球」の原稿は私が担当しました。
私が黒澤さんの環境教育プログラムを受けた時に感じた気持ちを、この物語を読んだ子たちに感じてもらえることを目指しました。
黒澤さんからは、環境問題に対する課題意識を押し付けられるのではなく、地球について穏やかに語りかけられました。それによって地球の存在が身近に感じられて、だからこそ私たちの営みが地球にどのような影響を与えているのかを考えなければいけないのだ、と強く思いました。
このように地球を身近に感じることで、私たちの行動を見つめなおすような物語にしたいという気持ちで原稿を書きました。

【黒澤】
第二部の「生き物のちから」の原稿は私が担当しました。
第一部では地球の歴史を知るとともに、地球環境に人がどのような影響を与えているか、という内容となっているのですが、「生き物のちから」では今の地球に生きる生き物の一つとしてヒトが担う役割が何なのか、ということに焦点を当てました。
環境教育プログラムでテーマとして扱っている内容とは異なるのですが、自然と人との共存は、アースランドで私たちがテーマとしていることです。
「自然」と「人」とを分けて考えがちではあるのですが、実際には私たちも地球の自然の中の一部です。ですから、第二部では人も自然に生きる生き物の一部としてどのような役割を担うのか、ということを地球視点で語りかけるような内容にしようと思いながら、原稿を書きました。

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次回は、「わたし、地球」に込められた想いや、制作時には想像していなかったような冊子完成後の展開、そして今後の展望について語ります。

*1 「WorldClass」とは デロイト トーマツ グループは、国連で採択された2030年を達成期限とする「持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals:SDGs)」のゴール4(質の高い教育をみんなに)及びゴール8(働きがいも経済成長も)にアラインする取り組みである「WorldClass」の取り組みを推進し、教育(Education)、スキル開発(Skills)、機会創出(Opportunity)の 3分野で2030年までに200万人の人々に対してポジティブなインパクトを及ぼすことを目標としています。今回の活動はWorldClassの取り組みの一つであり、児童が気候変動などの環境問題への意識向上に寄与することを目的としています。

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